あくまでも視点はひとつ
一人称であれ三人称であれ、視点は基本的に統一することをおすすめします。
ていうか、そうしないと感情移入がしづらすぎて読む気がしません。
参考に悪い一人称の例を用意しました。良い一人称や三人称の例と比較してみてください。
解説は後に行います。
解説
「悪い一人称の例」では、頻繁に視点が入れ替わっているのが分かると思います。
主人公であるユートの思考が書かれたかと思いきや、次はアリスの思考が書かれ、最後にはコーチの思考が書かれて突然出てきます。
分かりづらくて仕方がありません。
このような書き方をしてしまうと、書いた本人にしか理解できない作品が出来上がってしまいます。
視点を変えるにしても、短期的に繰り返すのはおすすめ出来ません。
「良い一人称の例」では、主人公のユートが思ったことや感じたことも書きつつ、視点は主人公に統一してあります。
途中で思考があっちこっちに入れ替わらないため、特に混乱することなく読めるかと思います。
「良い三人称の例」では、視点をユートに固定しています。
一人称じみた書き方もしてメリハリを付けつつ書いたつもりです。
こちらも思考が入り乱れたりしないため、スムーズに理解できるかと思います。
まとめ
書き手の自分は脳内で理解しているので混乱しませんが、視点があっちこっちに飛んでいる文章は読者からすれば理解しづらく、読むに値しません。
何か特別な作品構造でもしていない限り、視点はひとつに統一しましょう。
ただ、短期的に繰り返すなどではなく、常識的な範囲であれば視点変更は問題ありません。
作品によっても違いますので、明確に「こういう風にしたら問題ない」とは言いづらいですが、
章を変えた際、幕間、章の中の区切りである節を変えた際、行間を空ける等、読者に読みやすくする工夫をすると視点変更もやりやすくなります。