もくじ
一人称と三人称のメリット・デメリット
メリット
・主人公の気持ちを素直に書きやすい
・感情移入されやすい
デメリット
・独りよがりになりやすい
メリット
・客観的に書きやすい
・文章が安定しやすい
デメリット
・冗長(退屈)な文章になりやすい
解説
概ねこのような感じになります。
一人称の場合、極端に言ってしまえば地の文で主人公の思ったことや気持ちをそのまま書けば成立してしまうので、
書きやすい半面、暴走して独りよがりな文章になってしまいやすいです。
逆に三人称の場合、一人称と比べると客観的に書く必要があるので、文章そのものは安定しやすいです。
しかし、文章のメリハリを付けるのが難しく、上手く書かないと退屈で読む気のしないつまらない文章になってしまいます。
初心者はどちらで書くべきなのか
特にライトノベルにおいては一人称で書く人が多い印象を受けますが、それで正しいと思います。
先程も述べたように、やはり三人称は文章のメリハリを付けるのが難しいため、一人称で書き慣れた頃に練習するのが無難かと。
しかし大事なのは自分に合っているかどうかなので、実際に書いて判断してみるのもおすすめです。
また、自分のお気に入りの本が一人称なのか三人称なのか、そういった傾向から考えてみるのも妙案です。
書き方についてもここで中途半端な模範例を挙げるよりかは実際の本を見て学んだ方が良いでしょう。
一人称の種類については下記の記事を参照してください。
作品によって使い分ける
ついさっき「大事なのは自分に合っているかどうか」なんて言っておきながら恐縮ですが、
それよりも大事なことがあります。
それは、「作品に合っているかどうか」です。
具体的な例で言えば、
少女が友達を助けるために過去へ戻って未来を変えようと画策するも全然希望が見えず、挫折したりしながらもなんとか助ける、
といった感情に訴えるタイプの作品は一人称が合いますし、
かなり性格が悪いし無鉄砲だけど実力だけは本物の英雄がなんだかんだ活躍し、
結果的にヒロインも救って惚れられる話、とかの場合だと三人称がおすすめです。
主人公は特に周りに気を使っていない無策な行動なのですが、結果的にヒロインも救ってしまうということなので、
外野、つまりは村人だとかヒロインの感情描写が不可欠になります。
そうしなければ何故に感謝してるのか等の理由が分かりませんので。
そういった複数の人物の感情描写を何度も入れたい場合は三人称が合います。
(視点を変えてしまうので注意は必要ですが)
また、一人称だと主人公の思った酷いことがさも普通であるかのように主観で語られてしまうため、読者を不快にしてしまう恐れがあります。
それを避けるために三人称で書くというのも一つの手です。
三人称は客観的な印象を与えるのでそのようなマイナス要素がいくらか緩和されます。
使い分け方のまとめ
一人称と三人称、そのどちらもそれなりに扱える技量が無いといけないので初心者の方は気にする必要はありません。
そりゃあもちろん一人称と三人称、どちらも使えた方が良いですが、
得意不得意や作品の傾向、書き方やストーリーのアプローチの仕方によっても変わります。
なのでらのもきゅはたまーに一人称を使うくらいで基本的にはいつも三人称です。
「こういう選択肢もあるよ」くらいに思ってください。
一人称で書きにくいもの
これ本当に問題なんですが、一人称でTSモノってめちゃくちゃ書きづらいんですよ。
中身は男のままなのに見た目は美少女という全人類の夢を小説で文章にしようと思った場合、
美少女って設定だけど、言動も考え方も地の文も何もかも男じゃん…という大問題が発生します。
スカート履いてみてソワソワしたりキャッキャッしてる場面もオッサンが女装してるような錯覚に陥ります。
漫画だと絵があるので問題ないのですが…小説特有の問題ですね。
他にもさっき言ってた「複数の人物の感情描写を何度も入れたい場合」なども一人称でやろうとすると視点変更が難しく、
しっちゃかめっちゃかで不安定な文章になってしまいます。
まあこれは別記事で解説した視点の問題もあるので一概には言えないのですが。
そんなこんなで、一人称では書きにくいものが結構あったりします。
まとめ
初心者は一人称で書き慣れていくことがおすすめ。
しかし、作品によって使い分けたり一人称で書きにくいものを書こうとしたり、自分の作品にとって一番良い書き方で書こうと思うのならば、
一人称も三人称もどちらも書けるようになった方が建設的でしょう。