もくじ
世界観に合わないことはしない
例えば私達が何気なく話している言葉をそのまま作品でも使うと、場合によっては世界観の雰囲気を乱しかねません。
いくつか例を挙げつつ、順序立てて解説していきます。
① 世界観に合わない言葉について
よくあるファンタジー世界でいきなり「ナイス!」なんて和製英語を言い出したら違和感が生まれます。
明らかに世界観に合っていません。
このように、現実特有の言葉は世界観を壊し違和感が生まれてしまう一因となります。
概ね、以下に類する言葉に気を付けましょう。
- 和製英語や外国語
- ことわざ
- 方言
- 固有名詞
- 略語
- ネットスラング
- 流行り言葉
- そのほか世界観に無い物・事・事象に関する言葉
以上のような言葉をセリフ等で使ってしまわないように気を付けましょう。
無論、どんな言葉が世界観に合わないのかは作品によっていくらでも変わってくるということには留意してください。
例えば現代世界ものであればこのような配慮は全く必要ないでしょう。
また、現実を持ち込んでしまうと違和感が生まれてしまうといった点はメタフィクションと類似しています。
② 世界観に合わない描写・表現について
①で説明したような言葉をついつい使ってしまいがちなのが描写です。
例えば、ファンタジー世界で「まるでチーターのような姿をしている」という描写は不適切です。
その世界にチーターが居ないのであれば当然、比喩として表現が適切ではありません。
主人公が転生者であり、主人公の視点で書かれている等といった場合は問題ありませんが、
基本的に比喩などの表現や描写はその世界に存在する言葉に限定して使いましょう。
③ 世界観に合わない展開はしない
これは特に現代世界もので稀にあるケースなのですが、
例えば「終盤に唐突に超能力に目覚めてヒロインをピンチから救う」といったような展開。
もはや言うまでもなく、世界観に合っていません。
最初からそういう世界ならともかく、唐突なご都合展開という世界観に合わない展開はやめましょう。
「異世界で物語終盤に唐突に戦車が!」みたいな展開も同様です。
やるとすれば物語の中盤辺りで「実はこの世界には大昔に滅んだ超科学文明があると判明」「遺跡を発見する」等の布石を置いておきましょう。
④ 世界観に合わないものをあえて使う場合について
異世界でライフルかっ飛ばして無双したり、
冷蔵庫やクーラーなど現代文明の利器を思いっきり利用しつつ異世界で生きるのもロマン的な魅力はあります。
しかし現実とのちぐはぐさが目立つため、基本的には推奨しません。
世界のパワーバランスがおかしくなる点もよろしくありません。
言うは易くも行うは難しで、想像以上にバランスの取り方が難しいとだけ忠告しておきます。
ご都合展開になってしまいやすく、世界観もちぐはぐでおかしいとなれば後に残るのは「つまらない」という無残な評価だけです。
とはいえ、ギャグ主体の作品ならばそれすらもネタに昇華することも可能ですし、作品の方向性によるところもあります。
⑤ 世界観に合わせなくても問題ないケースなど
先程も言ったように、ギャグ主体の作品であれば「分かった上であえて使う」という手法も考えられます。
そのほか、ことわざ等であれば意味はそのままにしつつ、その世界の言葉で置き換えたりすることで対応するといったことも可能です。
そういったケースは少なからず見られます。
また、単純に気にしないで書くというのも一種のやり方です。
言葉もとい文章なんて所詮はストーリーを伝えるための手段でしかありません。
特に初心者であれば気にしすぎて書けないよりも、気にせずのびのびと書いた方が得策だと思います。