長期記憶という最大の落とし穴
短期記憶と長期記憶
思ったことや感じたことは通常は保持されず、時間の経過と共に徐々に忘れていきます。
このように、数十秒程度で忘れてしまうものを短期記憶と言います。
対して、長期記憶とは短期記憶から重要だと脳に判断されて移行したもののことを指します。
数分~数時間以上覚えているものがこれに該当します。
また、脳に重要だと判断され長期記憶に移行するには、反復や繰り返しが効果的だとされています。
逆に、忘れるには思い出したり考えたり繰り返さないことが効果的です。
このメカニズムに注目します。
書き続けることのデメリット
当たり前ですが、基本的に作者は面白いものを作っているつもりで書いています。
しかし書き続けていれば『面白い』という前提が離れず、長期記憶に移行してしまう恐れがあります。
実際に面白いかどうかは作品から離れて冷却期間を置き、
長期記憶を無くした状態(客観視がしやすい状態)で判断する必要があります。
サボった方が効率が良い
例えば3時間書き続けるよりも、
3時間のどこかで1時間ゲームをした方が結果的には効率が良くなります。
要するに、ゲーム等で作品を考えない時間を作ることで、
少し忘れて客観視できるような状態に持っていく事が可能となります。
(客観視のメカニズム)
これが15分の小休憩とかだと、かえって反復や繰り返しによる効果で長期記憶に移行してしまう恐れがあります。
一般的な休憩時間は目安になりません。
キリのいいところでこのようなサボりを入れ、客観視を行いましょう。
このような心掛けを行うことで大きな矛盾やつまらなさを回避することが容易になります。
また、普段から書き続けている人はかなり記憶が残っている可能性がありますので、
この機会に一週間程度の時間を置くことをオススメします。
客観視によるメリット
基本的には推敲で冷却期間を置くのと変わりありません。
しかし、客観視のメカニズムを理解した上で、早い段階から行うことにメリットがあります。
つまらないまま書き続けるよりも、遥かに効率的であると言えます。
- 気付かなかった誤字や脱字に気付く
- ストーリーの矛盾点や合理性に気付く
- キャラの一貫性が保たれていないことに気付く
- 少し忘れて客観的に見れることで、このままのストーリーじゃ面白くないと気付く
- 必要のない文章や展開、蛇足に気が付く
- 文章の分かりにくさに気が付く
これらも、書き続けていれば「問題ない」と長期記憶になってしまってスルーしてしまう可能性が高いです。
時間を置けば置くほど、新たな目線で物事を考えることが出来ます。
謎の行動の正体と客観視のメカニズム
椅子をくるくる回らせる、部屋の中を意味もなく歩き回る、謎のストレッチを始める・・・
これらの行動には何も考えていない瞬間が共通点として挙げられます。
客観視のメカニズムを無意識下に利用している可能性が考えられます。