パロディの意味や使い方って? 他との違いも解説
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パロディとは

パロディとは、パロディ元の作品のセリフや単語、設定、ストーリーの流れなどの一部を改変または引用をすることを指します。
主としてギャグやコメディとの相性が良いため、そういった場面や用途でよく使われます。
ライトノベルとしては「這いよれ! ニャル子さん」が有名です。

また、パロディには以下のような特徴があります。

  • 元ネタが分かるように書く
  • 元ネタを知らなくても問題なくストーリーが進む
  • 元ネタを知っていればもっと楽しめる

パロディの落とし穴

当サイトの方針としてはパロディに頼った書き方は推奨しません
優秀なパロディであれば元ネタにメジャーなものを選んでいたり、元ネタが分からなくてもその場のノリや勢いで楽しめたりするのですが、
下手な人は「元ネタを知らないと楽しめない」「元ネタが分かったところでギャグとして成立してないからつまらない」という問題が発生します

作風に合わせる必要も出てきます。
例えば魔術学校に通う世界で現実の日本の漫画のパロネタをやれば、「雰囲気が台無しだ」と一蹴する人は少なからず出てくるでしょう。

安易に作れる一方で、実のところ難易度が高いのがパロディという技法です。
そもそも、自分以外の作品の引用という行為自体に判断やセンスがかなり求められます。

誤った使い方をすると盗作となってしまう危険性もあります。
そのほか、オマージュとの違いなども順を追って解説していきます。

パロディの使い方の例

良い例

ドラゴンボールのパロディの例(クリックで表示)

ここはアウレク魔術学校。唐突だが教室の生徒達がまるで力を失ったかのように倒れていく。
しかし教壇に立つ教師――マグメルだけは倒れない。
「ここでネタバレをしよう。これは私の仕業だ。校舎に魔術を仕掛けさせてもらった」
「生徒思いの、良い、先生だったのに、まさか世界の破滅を。企んでいるなんて噂が、本当、とはね……」
息も絶え絶えに一人の生徒が抵抗を見せた。
「おや? 嗅ぎ付けていた者も居たんですねえ。まあ、もはや後の祭りですが」
「こんな、ことして、許され、ると……くっ」
しかし途中で意識を失ったのか、言葉は続かなかった。
「フフ、禁忌魔術には大量の魔力が必要なのでね。私はちょっとみんなから拝借したに過ぎないよ。
おっと、もう誰も聞いていませんね」
全校生徒が床に突っ伏した頃、マグメルの目の前には大きな丸い玉が出来ていた。それは言うまでもなく、魔力。
そしてなんやかんやあってマグメルは魔術を行い、なんやかんやで悪魔の王を呼び出すことに成功したのであった……
呼び出した魔王の頭部には角が生えており、鬼のような形相をしていた。さらにはおおよそ人間の五倍はあろうかという巨体の持ち主でもあった。
しかし教室が小さすぎるため、かがむような格好にならざるを得ない。仕方なく体育座りをしている。
「さあ。願いを言いたまえ」
「ギャルのパンティーおくれーっ、とでも言いたいところですが、この世界を破滅させるほどの魔力が欲しい、かな。フハハハハ、笑いが止まりませんねェ! フハハハハ!!」
「ギャルのパンティか。承知した」
「フハハ……は?」
ひらり。
巨体の魔王は綺麗サッパリ消え、変わりに真っ白なパンツがどこからともなく虚空から現れてマグメルの頭に着陸した。
「あはははは! あはは!」
マグメルは狂い出す。
「んなわけあるかーい!
あは、あはははは……」
笑うマグメルだが、その目には涙が浮かんでいた。
「嘘……ですよね冗談ですよね!? こんなもの願うために呼び出すわけ無いじゃないですか……悪魔ですか?」
いや悪魔だけれども。
「魔術警察だ! マグメル、貴様は魔術の不正使用及び魔術による他者への拘束等の違反で身柄を拘束する!」
「なっ何故ここに!?」
――もう禁忌魔術に魔力を使ったから私の分ですらほとんど魔力が無い。どうする?
――ここは……
『ガチャリ』
「おとなしく捕まるしか無いな。ハハッ」
そして魔術警察署では被疑者尋問が行われた。
「禁忌魔術を犯してまで、何を願ったんだ」
「ギャルのパンティ」
「ふむふむ、動機は性的好奇心によるもの、と」
「もうどうにでもしてくれ……」

 

ドラえもんのパロディの例(クリックで表示)

ここは惑星ガクラッタ。昔から闇市場としての知名度が高く、未だに非合法なルートで仕入れた物がたくさん出回っているらしい。つまり、通常の手段では手に入らない物があるということだ。
「置いてくぞジクタ!」
「待ってくださいよぉ」
のそのそと宇宙船を後にするジクタを尻目にヤガラはどんどん先へ進んでいく。目当ての店は決まっているのだ。
ここは出来の悪い屋台のような店が密集した場所ではあるが、一方通行なので迷うこともない。
――しかし、いつまで経ってもジクタが追いついて来ない。
「ったく、なにやってんだあいつ」
来た道を引き返していく。何やら怪しい草の押し売りを拒否し、ドンチャカうるさい店を通り過ぎ、訳の分からんガラクタ屋を通り過ぎ――
「ってここに居るのかよ! 何してんださっさと行くぞ」
「ヤガラさんここ凄いですよ! 夢の道具が売ってまして……」
「は? 夢の道具? 何だそりゃ」
がちゃがちゃと騒いでいると奥から店員がやって来た。
「へいらっしゃい!ここは宇宙の端から端まで古今東西の代物が揃っておりますぜ。
例えばこのどこでも扉なんかどうだい?
扉を開けばあら不思議! 思い描いた場所にワープできますぜ?」
「ただのワープ装置なのにでかいし邪魔だな」
「いやいやこれ良いでしょ! 夢にまで見た道具ですよこれ。どこでもトビラ~」
「ワープなんか今どき珍しくもないだろ……」
「実は正体不明のネコ型ロボットから頂いた一品でして、なんとお値段50万ウレク!」
「たっか! やめだやめ、本来の目的地にさっさと行くぞジクタ」

解説

ドラゴンボールの例は「ギャルのパンティーおくれーっ!!!!!」という有名なセリフのパロディです。
ピラフ一味の世界征服の願いが叶わないように、ウーロンが即興で適当な願望を神龍に願って阻止しました。

ドラえもんの例はどこでもドアという有名な設定のパロディです。

これらのように、分からなくても話が進み、分かっていたら少しニヤッと出来る程度のものがパロディとして優秀です。
例として分かりやすいように有名作品で行いましたが、基本的には上手く作れていれば何でも構いません。

悪い例

例A
  • 探しものをしていて、

「おっかしいなー、ないなぁメガネ」
「ではついでに、トゥインクルイマジネーションを探してください……」
「えっ」

例B
  • いきなり口にペンを突っ込んで、
    「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」
    「むぐぐ!」
    ズッチャズッチャ自分で言いながら踊りだす
    「何するんですか先輩!」
    「変身しようと思って」

解説

いずれもスター☆トゥインクルプリキュアのパロディです。
見ていただければ分かるように、ギャグにもなっていません。
パロディだと分かっても面白くなく、
分からなければ唐突で意味不明なだけです。

このように、シチュエーションに微妙にマッチしていないパロディを突然行うのは止めましょう
単純にギャグセンスの問題もあります。

盗作との違い

パロディはギャグやコメディ以外での使用が難しい

ただのパロディなら何回使用しても構わないのですが、単発的な使い方がベストです。
何でもかんでも全てパロディとして引用してしまうと盗作の恐れが出てきます。
ドラゴンボールの例で言うならば、セリフだけでなく玉を6つ集めたり龍を出したり組織と争ったりと節操なく引用した場合です。
もはやギャグではなく、ただのパクリになってきてしまいます。

そもそも、パロディとは誰もが知っている展開やセリフをあえて同じように行うというギャグとも取れます
盗作ではなくパロディを行うのであれば、局所的に行いましょう。

以前の記事で解説した通り、盗作の可能性は3点以上の類似箇所があれば怪しくなります。

また、パロディは結局のところ他作品からの引用です。
節度と敬意をもって正しい判断の元で行いましょう。

そのほか盗作に関してはこちらの記事をご覧ください。

オマージュとの違い

オマージュとは、影響を受けた作品と同じような印象を受ける自分の作品を作ることを指します。

オマージュとの違いは単純です。
パロディは引用という形で使用されることが多い一方で、オマージュは元の作品をそのまま使うということは基本的にありません。
また、ギャグやコメディ以外での使用が主です。

オマージュに関しては詳しくは以下の記事を参照してください

関連記事

記事中にあったまとめ記事なども含め、関連記事をまとめました。

盗作に関してはこちら

盗作の詳しい定義についてはこちらをご覧ください。

オマージュに関してはこちら

オマージュの参考例と共に、盗作との違いについても解説していきます。
パロディやインスパイアに関しても比較し解説します。

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